たまたま本屋で見かけた一冊の本。

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即買いしました
「一番・センター、福本。背番号7。」から始まり、「ピッチャー、山田。背番号17。」へ繋がる13編のコラム。

ラインナップに登場するのは選手だけではありません。
球団スタッフ、応援団、マスコット、ひいては歴戦の勇者たちを支えた市井の人々まで。


私設応援団「八二会(やじかい)」の今坂団長の「ブレーブスの側にいたいから阪急電鉄に入社した」という有名な逸話もあれば、ブーマーの応援歌(※2019年現在、頓宮裕真の応援歌に流用)に“前奏”が存在したという、応援歌マニアびっくりの(?)真実がしれっと披露されていたりと、往時のブレーブスにまつわる様々なエピソードが色々な方の話から出てきます。

灰色の時代から、栄光の3年連続日本一、そして「10.19」−

13人の方にスポットを当てていますが、実際に本書に登場する方はその3倍以上。
でも、そこに共通するのは「ブレーブス愛」。

みんな、ブレーブスを心から愛していたんだな―

そう思うと同時に、「タイムスリップが出来るのなら、あの頃の西宮球場に行ってみたい」と思う自分もおりました。

ぼんやりと憶えているのは、ラッキーセブンの攻撃前に紙テープを投げ入れる光景。
「よく応援団の人たちに紙テープを貰いに行っていた」と、後年母から伝え聞かされました。
(今では優勝決定時ぐらいしか認められていませんが、当時はごく当たり前の光景だったそう。現代のジェット風船の感覚に近いかもしれません。)

その、紙テープが舞う中で「晴れたる青空 われらのブレーブス」で始まる阪急ブレーブス応援歌を大声で歌ってみたい、という想いがふつふつと蘇ります。

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今なお承継球団の「オリックス・バファローズ」を応援する方もいれば、「ブレーブスと共に去りぬ」とファンを辞めた方もいます。
想いは人それぞれですが、日本球界に「阪急ブレーブス」という球団があり、そのチームを愛し続けた選手、スタッフ、ファンがいたことを後世に残すという点で、非常に意義ある本だと思います。
阪急ブレーブスの思い出に浸りたい方は勿論のこと、ブレーブスをリアルタイムで知らない世代の方がブレーブスというチームを知るのにお勧めの1冊です。

読売新聞(阪神版・三田版)にて、3年にわたって連載されたコラムを纏めた本書ですが、ここまでの長き期間に及び取材を続けてきた記者さんに最大級の敬意を表したいと思います。




「阪急ブレーブス 勇者たちの記憶」読売新聞阪神支局 著

発行元:中央公論新社
本体価格:1,900円
ISBNコード:978-4-12-005232-3