香港の情勢は、決して良好ではありませんでした。

ご存知の通り、2017年に香港特別行政区長官選挙が行われるにあたり、「指名委員会の過半数の支持が必要である(=事実上、親中派の人間しか立候補できない)」という要件が8月の全人代常務委員会で付け加えられた事を発端に、「完全普通選挙」を求める学生を中心とした民衆が主要部の道路を占拠した抗議活動、通称「雨傘革命」が起こっていました。

詳細な経緯は各自で検索いただくとして、10月上旬から今日に至るまで小規模の衝突を繰り返しつつも膠着状態が続いておりました。
しかし、我々が香港に着いたその日。
学生団体の代表が北京に乗り込んで直談判しようと香港国際空港から発とうとしたところ、当局から「渡航要件を満たしていない(=渡航に必要な通行証が無効になっている)」との理由で事実上の門前払いを喰らってしまいました。さらに香港政府が週明け(17日以降)に道路占用禁止命令の強制執行をするとの予告を出したようで、一気に緊張感が高まってしまいました。

しかも、我々の宿はその占拠地区の一つである銅鑼灣(Causeway Bay)にあり、宿に向かうには否が応でもそのエリアを通らなければならなかったのです。


てなわけで、ちょろっとワタクシなりに感じた事を書き残しておきたいと思います。

15日の夕方。

当初、カメラを構えることさえ憚られるのかと思ったら…意外や意外、皆スマホを構えてバシャバシャ撮ってるではありませんか。中には「自撮り」で記念撮影する方も多数おりまして、ちょっとした観光スポットになっているような様子。

横に警察官が2〜3名いたこともあり、少々おっかなびっくりではありましたが、
IMG_7215IMG_7222
人があまり写り込まない程度にパシャっと撮ってみました。

IMG_7218IMG_7231
IMG_7227IMG_7230IMG_7228
IMG_7225IMG_7232
広東語は全くわかりませんが、漢字なんで何となく言いたいことは解ります。

IMG_7229
ト◯ロも堂々の参戦ですか?

そこに書いてあるメッセージは過激ですが、「学校に通いながら参加する」「週末だけテントに籠る」など(この手の運動にしては)フリーダムなスタイルが確立されていることもあってか、緊迫感のようなものは殆ど感じられませんでした。

しかし翌16日。「2〜3名」だった警察官は倍に増えており、“前兆"を予感させます。

そして迎えた「Xデー」の17日。
ホテルの前にある学校では生徒の登校時に親が付き添う姿が目立ち、一般市民も警戒しているのが窺い知れました。
帰国日だった我々。荷物を先に放り込んでしまおうということで、ホテルからインタウンチェックインの出来る香港駅までの無料連絡バスに乗ろうとホテル玄関でバスを待っておりました。
チェックアウトの際に「あと2分で来る」と言われたバスは、20分経っても到着する気配を見せず。
バスでの移動を諦め、地下鉄に切り替えます。

IMG_0129-a
三たび通った銅鑼湾の「テント村」は、警察官の数がさらに倍に。
「いよいよかな」と思いつつ、香港駅のある中環(Central)に向かったのであります。

インタウンチェックイン後、前回同様「添好運」で朝食を。
朝飯にしてはとんでもない量を掻き込んでしまったために、食後の散歩も兼ねて上環(Sheung Wan)地区に向かおうと、トラムの走る(※銅鑼灣地区はロックアウトで運休していましたが、中環地区は運行していました)メインストリートに向かうと、
IMG_0159IMG_0160
4〜5台の警察車両が銅鑼湾方面へ向かっていくではありませんか。

「何?」
ついにその時が来てしまったのか…?

「行くか!」
「うん!」

ということで反対方向のトラムに乗り、銅鑼灣の近くまで向かうことに。

IMG_7844IMG_7847
道もとにかく混みまくり。
喧騒の中、地下鉄ならば10分とかからない距離を倍以上の時間を掛けて、トラムはゆっくり走ります。

IMG_7877
IMG_7865IMG_7862
トラムを降り、ちょこっと歩いて4たびの銅鑼灣テント村。
辺りを見回すと、朝の3倍近くまで警官の数は増えているではありませんか!

こりゃ、いよいよか…?

しかし、現地で仕入れた情報だと、先に「GO」が出ると言われているのは九龍半島第二の繁華街・旺角(Mong Kok)とのこと。

「…行くか?」
「うん。」

「ただの野次馬」となるか、「歴史の証人」になってしまうのか…

ともかく、来た道を地下鉄で引き返したのでありました。


つづく。