残業で終電を逃して、会社対面の宿屋に投宿しました。

奇しくも1年と1日前、出張先で震災に遭い、やはり帰れなくなりました。
その時は、（全社的な臨戦応援の出張だった事もあり）会社の人事部の尽力の甲斐あって、近隣の温泉旅館に泊まる事が出来たんで、正確には「難民」にはならなかったんですが。

ただ、出張先から直接会社に乗り込んだ時の異様な雰囲気は、一年経った今でもしっかり覚えています。

直接的な被害がそれほどなかった東京都心でも、気味が悪いほど静まり返ってましたね。
会社の最寄駅は、現在投宿している宿屋の直下にあるんですが、大津波警報発令で全列車通過の措置が取られていました。

そんな場所に行って仕事をしなければならない事に少々理不尽さを感じながら、一つ手前の駅で降車して、ひと駅分歩きました。

会社内は、至って平穏でした。
…まだこの時は。


その後、買い占め騒動でエゴイズム丸出しの醜い人間の姿を目の当たりにする事になります。

「被災地に送るんだから、もっと寄越せ！」という怒声も沢山浴びました。
ただ、その「寄越せ！」といった商品はどう考えても被災地に送るモノではなく、明らかに自家需要目的でしたね（苦笑）

またある時には、空っぽになった陳列棚を目にした顧客に、「あんた達（従業員）が裏に隠し持ってるんでしょう!?」なんて言われた事もありました。

…とんでもない！

「お一人さま1点限り」のトイレットペーパーを、赤ん坊も含めた家族総出で計48ロールを買い占めた輩もいた中、こっちは買いに行く事すらままならず、トイレットペーパー絶滅の危機に瀕したくらいなんですから!!（苦笑）


あれから1年。


大変申し訳ないですが、東北地方に親類縁者がいない事もあって、報道されている以上の被災地の様子や被災者の方々の心情は解りかねます。
だって、痛みや辛さは、当事者にしか解らないのですから。
だから、安易に「一日も早い復興を！」なんて言えません。


その一方で、「電力危機」と言われながらも夏冬を凌ぎ、「計画停電とは何だったのか？」と言いたくなるほど、首都圏の電気は安定供給されています。

物流も生産も安定し、品薄のものは少々あれど、品切れという事は人為ミスを除いて殆どありません。

そういえば、あの時買い占めに走った皆さん。
買ったお米やお水、カップラーメンなどの食料品はちゃんと賞味期限内に食べ切ってますよね…？（冷笑）


そんな訳で、震災を経て自分なりに感じた事を教訓として、今後に生かしたいと思います。






その教訓とは…



情報に惑わされないこと。




情報に踊らされる余り我を忘れて、エゴイズム丸出しになる人間にはなりたくありません。